エピソード(本人の気持ち、そして家族の思い)

ここで紹介するメッセージは、「痴呆の人の思い、家族の思い(社団法人呆け老人をかかえる会編)」に寄せられた家族の「思い」です。認知症を知る・・・先ずは、ご本人とご家族の生の声を聴くところからはじめたいと思います。

原題のまま(初版発行:2004年2月、中央法規出版)

エピソード(1)

episode_img_01.gif

美容院でカットをしてもらい、家に帰った後、何度も鏡を見ては、髪をとかしていた。「似合うね」の家族の言葉に「そうかね」を繰り返していた。日頃、あまり鏡を見ないし、鏡を見ても「私って、へんな顔」と言っていることが多い。美容院でのカットがやはり気持ちよかったのだと思う。一週間ぐらいした後にも、この日を思い出したのか、「美容院に行きたい」といっていた。

エピソード(2)

episode_img_02.gif

母は60代でやっと自由な時間がもてるようになり、老人大学に喜んで通っていた。学ぶことが本当に好きな人だった。そのつもりでデイサービスに行くと「今日は先生がいらっしゃらなかった」「歌(カラオケ)ばかり」と不満で行きたがらなくなった。施設側も、当時は「習字」「生け花」などやる余裕もなかったようだ。
何とか母の望みをかなえようと、痴呆の母が出席できる講座を探した。難しいと思われる「文学講座」に連れて行った時、とても喜んで聞いていた。理解はできなかったと思うが「あの先生は、とても良い先生ね」と言っていた。

エピソード(3)

episode_img_03.gif

行方不明になり、自宅まで送り届けてくださった交番のおまわりさん、タクシーの運転手さん、そして、しばらくの間、母の様子を見守ってくれた隣家のご夫婦に対し「皆様、ご迷惑をおかけいたしました。娘が帰ってきたので、もう大丈夫ですよ。ほんとうにありがとうございました」と丁寧にお礼のあいさつ。私の帰宅が遅くて迷惑をかけたと、母は思い込んでおり、私の代わりの感謝の気持ちを表現したつもり。
母にとって、徘徊しているのは私であって自分ではないらしい。とんだ娘思いの母親です。

エピソード(4)

episode_img_04.gif

一時期、主人はいつも決まって、おまんじゅうを2つだけ買って帰りました。計算が不安定でしたが、お店の人が様子をよくわかってくれていました。
帰ると、一緒におまんじゅうを食べました。私へのお土産のつもりで買っているんだなぁ」と主人の心を感じ、うれしかったです。

エピソード(5)

episode_img_05.gif

日曜大工のノミ、金づち、ノコギリなど、いろいろな道具を布にぐるぐる巻いて片づけ、また開いてと、縁側で同じことを午前中も、午後もしていました。
主人は手先が器用で、日曜大工が得意で、あちこち棚を作ったり、犬小屋を作ったりしてくれました。私は、主人を見て、「あぁ、一生懸命、日曜大工をしているつもりなんだ」と忘れられない光景でした。

エピソード(6)

episode_img_06.gif

スーパーへ一緒に行き、買い物の帰り、「食べたい」と言ったあられを買い、それだけをレジの袋に入れ、義母に持たせ、車での帰宅途中。信号待ちで、隣の車の運転手にそれを見せて、「これがありますよ〜」とうれしそうに上にあげて見せる。
家にもあられはあるが、一緒に行って、欲しいおかしを買ってくることがこんなにもうれしかったのかなと感じたと同時に、まるで子供が喜んでいるようにも思えた。

このホームページでは、ご本人やご家族、そして町で暮らすみなさんからの声やメッセージを寄せていただき、ご紹介してゆきます。

気持ちや思い、そして町での出会い、ふれあい、ご意見などを幅広くお寄せください。書式等は自由です。以下の送り先へお願いいたします。

送り先

◎お手紙やお葉書の場合

〒168-0071
東京都杉並区高井戸西1-12-1
認知症介護研究・研修東京センター
だいじょうぶネット「本人の声」係り

◎FAXの場合

03-3334-2156

※だいじょうぶネット「本人の声」係宛て、とお書きください。

◎メールの場合

お問い合わせフォームをご利用ください。

お問い合わせフォームはこちら