大阪市介護家族の会連絡会 “若年認知症の本人と家族の会”

今年度、いろいろな本人の参加できる場の紹介を行ってきましたが、私自身がこの一年これらの取材にあたらせていただきながら、やってきた実践を紹介させていただきます。

大阪市には、4年前から大阪市内の介護家族会の連絡会が大阪市社会福祉研修・情報センターを拠点として活動しています。このセンター内には、総合相談コーナーがあり、認知症医療専門相談などを行っています。様々の相談の中から若年認知症の家族や支援者からの相談が出てきました。そこで、平成16年に彩星の会の方々に来ていただいて講演会を開き、それをきっかけに若年認知症の家族のあつまりをはじめました。

つどいをほぼ2ヶ月に1回行ってきましたが、平成17年度は、家族が講義や座談を行っている間、別 の部屋で本人たちは卓球をしたり、座談をはじめました。

はじめは、物忘れカフェにみならって、参加者のやりたいことを紙に書出しました。その中で身体を動かしたいという希望があったので、センター内でも卓球はできるのではないかと考え、グループホームから卓球台をいただいきました。卓球は本人もサポーターも息をきらしながら楽しんでいます。

サポーターは、若年認知症の家族にかかわっていた支援ワーカーや、認知症ケアの経験のある知人に頼み参加してもらっています。今後、サポーターをどのように確保していくか、研修などが課題です。

本人の参加する場ができたことで、家族が参加しやすくなったのではないかと感じます。また、2月の会では、はじめて参加した方が、本人のグループの中で活き活きとしているのを家族が見て、いつもとは違う様子に、サービス利用や本人への新しい関わりが考えられていたのではないかと感じました。

さらに、この家族会に協力してもらっている大阪市立弘済院附属病院の中西先生と相談して、病院の診察後に1時間程度、本人同士で集まる機会をもっています。本人1〜3人の参加で、お茶を飲みながらいろいろな話をしています。例えば、物忘れに困ったらどうしているかなど、自分たちの工夫していることを出し合ったりします。

家族会に来られていない方も参加できます。しかし、家族会よりも参加の継続が難しいようです。やはり家族会に参加するという意志がはっきりしている家族と違い、本人同士が一緒に過ごすことの必要性を感じられていないのと、本人たちが話している間は家族会をしている訳ではないので、家族自身に必要性を感じてもらいにくいのが原因かと思っています。

つまり、本人がつどう場を作るためには、家族の理解と協力が欠かせないということです。今後は、家族にもどのように説明して行くか、またひとつの病院で続けていくのか、その内容など検討しながら、本人たちがつながれる場つくりを進めていきたいと思います。

物忘れで困ったら…
  • 置き場所を決める
  • じっと考える
  • 他の人に覚えてもらう
  • 他の人にさがしてもらう
  • 見える所に置いておく
  • タイマーの所に置いておく
  • 探し始めた時に教えてほしい
  • 自分でしようとばかりせずに、まわりの人に頼ろう
  • 何度も聴いてもまたかという顔をしないでほしい

認知症を知るキャンペーン 本人の思いを知ろう
呆け老人をかかえる家族の会
本部事務局スタッフ
沖田裕子