若年期認知症の家族の会つどいでの本人参加について(千葉県支部)
千葉県支部での本人の参加の状況について世話人にお聞きしました。
当日たくさんの方に集まっていただきありがとうございました。
従来から「つどい」にも本人は参加していました。しかし、家族がつどいに参加するために、本人を置いて来れないから、しかたなく連れてきていたといったものでした。本人が一緒に家族同士の話を聞いていても大丈夫なようなら、その場で一緒に過ごし、じっとしていられなければ世話人が付添って別の部屋で過ごしたりしていました。けれど、国際会議以降、本人には本人のグループが必要なのではないかと考え、2005年の3月にはじめて、家族とは別に過ごしてもらおうと、若年期認知症のつどいで、本人たちのグループを作り、世話人、過ごし方などを考えました。
3月は、本人は4人(男性3人、女性1人)、介護家族11人、一般会員7人、世話人が12人の参加でした。自己紹介、昼食の後、本人と家族のグループに分かれましたが、お互いが見える方が安心できるのではとの配慮で、同じ部屋で、テーブルを分けて座りました。本人のうち女性の方は、ずっと家族グループの話合いにいました。本人グループではなく家族のグループに入っているほうがいいと思われたのかもしれません。この方は告知も受けてご自分の立場がほぼ分かっており、ご主人の話を聞いていました。それで本人グループは男性ばかりとなりました。世話人が5人参加して、事前に持参をお願いしておいた”現役時代”の写真を元に話を始めました。会場に着た時は、緊張していた人も、仕事の話になると活き活きとしてきました。後で家族から「あんなに笑っているの、久しぶり」と言う声が聞かれ、同じ部屋で行ったことは、家族にとってもよかったのではないかと思われました。
12月に2回目の会を行った時には、前回家族のグループに入っていた女性も本人グループに参加したり、3月の時はデイサービスに利用できていなかった人が利用できていたりと、変化がありました。1回目が午前11時からと時間が長く、本人が疲れたという人もいたことから、時間を短縮して午後から行いました。世話人は、前回聴いた話から陶芸の本など、参加する人の興味を引き出せるのではないかと思うものを持参して話題を作っていきました。
内容について実施するまでは、世話人がいろいろ考えていましたが、その時その時の状況でやることを考えていくことや、間にテータイムを設けること、その飲み物の準備も本人に手伝ってもらうことなども重要だと実際にやっていく中でわかってきました。また、本人のしていた仕事や、興味があることがわかっていると、より楽しい時間が過ごせるので、そういう情報を集めて世話人がよく知っておくとよいということもわかりました。
これから、本人の会を実施して行く中で、課題と感じていることのひとつは、病気のことについて本人とどのように話すかということがあります。例えば、本人が認知症の人の話しているビデオを見て「よく見とけよ」と後で家族に言われたそうです。その人は告知を受けていません。別の告知を受けている人は、「アルツハイマーって病気がこうさせたのよ」と会話の中で自分で言います。このように、告知を受けていたり、そうでない人がいる中で、病気について話題に出たときにふれないようにするか、その話題にふれるべきか、悩むところです。ただ、告知を受けている人も、病気のことを自分から話せるのは、家族の会のメンバーとの信頼関係の積み重ねにあるのではないかと思います。
これからも千葉県支部では、本人が参加しやすいような場つくりをいろいろ工夫していきたいと思っています。