家族も本人もできることを皆でしていく(広島県支部)

家族も本人もできることを皆でしていく!
これが何よりもの本人と一緒の活動を支えていくコツ

今回はA支部の若年認知症の会をご紹介します。

会は、なごやかな自己紹介から始まったのが印象的でした。ご家族のことをよく知っている世話人さんならではの司会。時には、認知症の本人に「奥さんを紹介してください」と促し、うまく紹介される方、「自分で言え」と言ってさっさと座ってしまう方。「この頃はどうですか?仲良くしてますか?」と世話人さんの問いに、笑いながら「けんかしてます」と答え、周りの笑いを誘う方。家族が先日のリフレッシュ旅行で2年ぶりに夫が入浴してくれてよかったと話され、別の家族が妻は泊まれたけど、入浴はできなかったと話され……家族同士でアドバイスしていると、認知症の本人が「男と女は違うんです」とまじめに言われ、その絶妙のタイミングに、また大爆笑。家族はしんどいことや病気の進行したことについても話しているのに、本人ともに笑いのあるひと時を共有していたことが気持ちよく感じました。

自己紹介をしている間に、徐々にメンバーは増え、お昼にはサポーターの方々が準備したお弁当と、おつけものや冬瓜のデザート、自家製パン、ニガ瓜の砂糖付けと、めずらしいものもいただきました。

サポーターの方々がそれぞれの得意分野で活躍されているのもいいなあと思いました。また、弁当配りや後かたづけなどは、本人と家族が協力して行っている姿も……
誰しもお客さんでいるだけでは嫌ですものね。
家族も本人もできることを皆でしていく!
これが何よりもの、本人と一緒の活動を支えていくコツかと思いました。
ただ、家族の中には、「もう歩けないから、皆さんの迷惑になるので置いてきました。」と言っていた方もいて、認知症のレベルや身体的な状況によって本人の参加をどのようにしていけるかが左右されるのですね。家族も遠慮してしまうということもあります。このことは、本人との活動をどのように行っていくかの課題かと思いました。

昼食後、家族と本人グループに部屋が分かれました。私は、本人グループに入れてもらいました。卓球あり、カラオケあり、絵を描く人あり、弁当の続きを食べている人も……。どなたかが連れて来た子供たちは風船バレーの真中に入って大活躍。その横でおやつやお茶の用意をしてくれているサポーター。まじめな顔をしてなにやら二人で熱心に語っている本人たち。ダンスのステップを、手を握りしめて教えてくれる方。晩の献立の相談をしてくれる方。2時間あまりの時間はあっという間に過ぎました。

もう一度、ひとつの輪になってお茶とおやつをいただき、写真撮影後、解散となりました。
世話人さんが、「本人と会わないと、その家族をどう支えていったらいいかわからないでしょ。」と言われたのが印象的でした。

呆け老人をかかえる家族の会/本部事務局スタッフ
沖田裕子